2025/03/09 18:00

はじめに
本レポートは、日本スポーツ栄養研究誌(2018年)に掲載された下山寛之らの研究「短期間減量プログラムにおける運動介入と高たんぱく質に設定した低炭水化物食または高炭水化物食による食事制限が身体組成に与える影響」を要約したものです。
「短期間で効率よく体を引き締めたい!」
そんなアスリートやダイエットを考える人にとって、食事と運動の組み合わせは大きな課題です。
特に「低炭水化物 vs. 高炭水化物」、どちらが効果的なのか?と悩む方も多いのではないでしょうか。
研究の目的
1週間の短期間減量プログラムにおいて、
運動介入と高たんぱく質食(低炭水化物食または高炭水化物食)がアスリートの身体組成に与える影響を調査しました。
対象者
対象者は、大学の運動部に所属し、週5日以上のトレーニングを行っている健康な若年成人11名(男性7名、女性4名)です。
対象者は、無作為に、低炭水化物食群6名、高炭水化物食群5名に分けられました。
内容
減量期間:7日間
運動:日々のトレーニングに加え、1回40分のスロージョギングを1日2回実施
食事:1日3食の制限食を提供
エネルギー摂取量:理想体重×20kcal/日
たんぱく質摂取量:1.4~1.5g/kg体重
炭水化物の割合:低炭水化物食群は30%、高炭水化物食群は50%
結果
低炭水化物食群:体重 -1.9kg ±1.0kg(体脂肪量 -1.9kg ±1.0kg)
高炭水化物食群:体重 -1.8kg ±1.0kg(体脂肪量 -1.4kg ±0.9kg)
両群ともに減量前と比較し有意に減少(P<0.05)
体重・体脂肪量の変化量に群間で有意差なし
結論
・1週間の減量において、低炭水化物食と高炭水化物食のどちらを選択しても、体重・体脂肪量の減少に大きな違いはない。
結局のところ、「低炭水化物か?高炭水化物か?」と悩むよりも、運動とたんぱく質をしっかり意識することが大切!
どちらの食事でも1週間でしっかり体重・体脂肪は落ちるので、自分に合ったスタイルで取り組むのがカギです。
無理な食事制限をせず、運動と組み合わせて健康的に理想の体を目指しましょう!
参考文献
下山寛之、渡口槙子、安方惇、山﨑郁美、嶋田康平、廣田貴也、山田陽介、海老根直之、布目寛幸、清永明、桧垣靖樹、田中宏暁(2018)。
短期間減量プログラムにおける運動介入と高たんぱく質に設定した低炭水化物食または高炭水化物食による食事制限が身体組成に与える影響。日本スポーツ栄養研究誌、vol.11、16-24.