2025/07/03 18:00

はじめに
スマホでワンタップすれば料理が届き、コンビニは24時間いつでも新商品。
便利さと引き換えに、私たちの食卓は知らず知らず“栄養過多”へ傾いているかもしれません。
厚生労働省の「令和5年国民健康・栄養調査報告」から、その実態をのぞいてみましょう。
過剰摂取の赤信号
● 塩分:平均9.8g(目標7g)
20歳以上の食塩摂取量は男女平均で 9.8g。
WHO推奨(5g未満)や国の目標(7g)を大きく上回ります。
特に男性は 10.7g と高止まり。高血圧リスクが心配です。
● 肥満:男性31.5%、女性21.1%
BMI25以上の“肥満者”は男性で 3人に1人、女性でも 5人に1人。
男性は平成25年から令和元年で有意に増加し、横ばいの女性との差が拡大しています。
でも「足りない」ものもある
● 野菜:平均256g(目標350g)
塩分は摂りすぎでも、野菜は不足。
平均 256g は目標の約7割。若年層ほど少なく、健康の“彩り”が足りません。
● バランス食:毎日2回以上は半数未満
主食・主菜・副菜をそろえた食事を「1日2回以上」食べる人は、男性45.7%、女性47.1%。
つまり 半数はバランス食を毎日取れていないのが現状です。
なぜオーバー&アンバランス?
即食・中食の台頭
濃い味付けや揚げ物中心の商品が多く、塩分・脂質が高め。
時間貧乏
仕事や育児の忙しさから「面倒くさい」が野菜不足・欠食の最大要因に。
情報過多の落とし穴
“高たんぱくブーム”など特定栄養素を追いかけ、全体のバランスを見失いがち。
まとめ
統計をのぞくと、「摂りすぎているもの」と「足りないもの」が同居するのが現代の食事情。
便利な社会に合わせて、私たち自身が“賢い選択”をしない限り、数字は好転しません。
まずは 「塩分-」「野菜+」「バランス◎」 を合言葉に、身近な一口からリセットを始めましょう!
参考文献
厚生労働省『令和5年国民健康・栄養調査報告』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r5-houkoku_00001.html