2025/08/21 18:00

はじめに:
リバウンドは“意志”ではなく“設計”の問題
ダイエットがうまくいかない最大の理由は、意志が弱いからでも根性が足りないからでもありません。
多くの場合、“戻ってしまう設計”で始めているからです。
体は変化にブレーキをかける賢いシステムを持っています。
だからこそ、仕組みを知り、戻らない動線を事前に準備することが重要です。
リバウンドしやすい人の傾向(特徴)
短期集中&ご褒美爆発型:
イベント前だけ頑張り、終わった瞬間に“解禁”。
完璧主義のオールorナッシング:
1回の逸脱を“全滅”とみなして暴走。
数字だけ追跡:
体重しか見ず、睡眠・ストレス・活動量など“原因指標”を見ない。
我慢一本勝負:
好きなものを全カットし、心理的貯金が尽きる。
睡眠不足&高ストレス:
食欲ホルモンが揺れやすく、衝動買い・衝動食いが増える。
環境未整備:
家や職場に“トリガー食”が常駐。意思より先に手が伸びる。
なぜリバウンドするのか—からだとこころのメカニズム
代謝の適応:
急な食事制限は筋肉までそぎ落とし、基礎代謝が下がります。
スピード減量ほど“燃えにくい体”になり、その体で元の食事に戻ると一気にプラスへ。
食欲ホルモンの反撃:
減量により“満腹を伝える”シグナル(例:レプチン)が低下し、“お腹すいた”のサイレン(例:グレリン)が強まるため、脳は高カロリー食を選びやすくなります。
体重の慣性:
体には“慣れた体重帯”があり、変化を元に戻そうとする力が働きます。
意思決定疲労:
一日じゅう判断と我慢を続けるほど後半で崩れやすく、“夜の暴走”を招きます。
よくある落とし穴
極端なカット(糖質ゼロ・脂質ゼロ):
続かないうえに反動が強い。
短期断食の乱用:
筋肉・代謝に打撃、明けの暴食で帳消し。
“目標達成=終了”思考:
ゴール後の“メンテ期設計”がないと、リバウンド。
週末の“リセット”幻想:
平日のマイナスを土日でプラスにしがち。平均で見ると増えていることも。
リバウンドしない設計(実践のコツ)
体重より“習慣KPI”を管理
・睡眠時間、歩数、タンパク質量、食物繊維、ストレス対処を可視化。
・体重は“結果指標”。週平均で見るとブレに惑わされません。
ゆるいマイナスで長く続ける
・“ちょい減”のエネルギー赤字(例:1日-300~-500kcal相当)を目安に、息切れしない程度に。
筋肉を守る設計
・タンパク質は毎食、さらに、週2-3回のレジスタンストレーニングで“燃やす体”を維持。
環境を味方に
・見える場所に野菜・フルーツ・ヨーグルト。
・見えない場所にお菓子。
・小皿・小盛り・小袋をデフォルトに。意思より先に“手間”でブレーキ。
80点主義ルール
・平日は基準を守り、外食やイベントは“量コントロール”だけ死守。完璧より“継続できるほどほど”を。
メンテナンス期をあらかじめ予約
・目標体重に到達したら、いきなり解禁せずに4-8週間の維持練習へ。摂取量を段階的に戻しつつ、活動量はキープ。
“やめない仕組み”を作る
・カレンダーに、固定の買い物日・運動枠をスケジュール。迷わない設計は最強の継続術。
まとめ:
戻る力に勝つのではなく、戻らない道を敷く
ダイエットは根性勝負ではなく、設計勝負。
からだの反撃と心のクセを前提に、“ゆるく・長く・仕組みで”進めましょう。
今日から“習慣KPI”の1つを選んで、まずは1週間。続く設計が、続く体をつくります。