2025/09/11 21:00


はじめに


「同じ食べ物・同じ量」を食べた場合、食べる時間が違うだけで太りやすくなるのでしょうか?
ある実験により、「同じ食べ物・同じ量」を食べたとしても、遅い時間に食べると、太りやすくなることが分かりました。


どうやって確かめた?


対象:
過体重~肥満の成人16人(平均37歳、女性5人、平均BMI 28.7)。
同じ人が「早い時間の食事」と「遅い時間の食事」を順番をランダムに体験。

条件:
「遅い時間の食事」は、「早い時間の食事」の場合から250分(約4時間10分)遅らせる。
それ以外の、カロリー・食事組成・活動量・睡眠・光・姿勢までを厳密に同じにした。


主な結果


1) お腹がすきやすくなる
・遅い時間の食事では、「いまお腹がすいている」確率が約2倍に。
・24時間のレプチン(満腹ホルモン)が低下し、“食べたいスイッチ”が入りやすい状態になりました。

2) その日に燃やすカロリーが減る
・覚醒時間のエネルギー消費が平均約59 kcal/日(約5%)低下。
・24時間の深部体温も低下しました。


ここがポイント


・同じカロリーでも、遅い時間に食べると、①空腹感上昇、②消費カロリー減少という“太りやすい”が揃う可能性あり。
・日常生活では食べ物の選択が自由なので、空腹感上昇は実際の食べ過ぎに直結しやすい。


まとめ


「いつ食べるか」は「何をどれだけ食べるか」と同じくらい大事。
就寝に近い食事は控えめに、起床後早い段階で食べる方が、からだの“燃え方”と“満腹・空腹のバランス”にやさしそうです。


参考文献


Vujović ら(2022)「Late isocaloric eating increases hunger, decreases energy expenditure, and modifies metabolic pathways in adults with overweight and obesity」(Cell Metabolism, 34(10), 1486–1498.e7)
https://www.cell.com/cell-metabolism/fulltext/S1550-4131%2822%2900397-7