2025/09/25 21:00


はじめに:甘い一口=元気?


「疲れたら甘いもの」が合言葉のように広がっていますが、科学的にはどうでしょう?
2019年に、31の研究、1,259人の参加者、176の効果量をまとめたメタ解析が、この疑問に答えています。


研究の結論


炭水化物(=砂糖を含む)を摂っても、“気分が良くなる効果”は見つからなかった。
それどころか、摂取後1時間以内に“疲労上昇”、“覚醒度減少(=眠い・だるい)”というネガティブな変化が示されました。
つまり「砂糖による元気(=シュガーラッシュ)」は神話で、短時間でネガティブ寄りの変化が起きていたのです。


今日からできる置き換え戦略


・まずは砂糖飲料を無糖の炭酸、水、お茶へ。
・小腹ケアの中身を変更:クッキーではなく、たんぱく質+食物繊維(ナッツ+果物、ヨーグルト+オート麦など)に。
・会議前の甘い差し入れは要注意:1時間でだるさが来る可能性大。開始直前の砂糖は避けるのが無難ですね。
・“甘いもので気分転換”の代わりに、5分の散歩、ストレッチ、深呼吸を!


まとめ


このメタ解析が示すのは、「砂糖=気分アップ」は科学的に裏づけがないということ。
むしろ摂取直後~1時間で疲労感や眠気が出やすい。
気分転換や仕事の集中には、砂糖に頼らない選択肢(睡眠、運動、低GIの間食、こまめな休憩)が賢い一手です。


参考文献


Mantantzis Kら (2019)「Sugar Rush or Sugar Crash? A Meta-Analysis of Carbohydrate Effects on Mood」(Neuroscience & Biobehavioral Reviews, 101, 45-67)
https://wrap.warwick.ac.uk/id/eprint/115618/1/WRAP-Sugar-rush-crash-meta-analysis-carbohydrate-effects-mood-Maylor-2019.pdf