2025/10/02 21:00

はじめに
忙しい日の昼にハンバーガー、疲れた夜にドーナツ。
手軽でおいしい“ご褒美”ですが、メンタル面への影響はどうでしょうか?
スペインで行われた研究が、この身近な疑問にデータで答えています。
研究の概要
調査対象は8,964人。
食事調査票でファストフード(ハンバーガー、ソーセージ、ピザ)や菓子パン(マフィン、ドーナツ、クロワッサン)の摂取状況を記録。
医師による「うつ」の診断または抗うつ薬の使用を「うつ」と判定。
中央値6.2年の追跡で493件の「うつ病」が報告されました。
結果
ファストフード(ハンバーガー、ソーセージ、ピザ):
摂取が最上位群は最下位群に比べ、うつ発症リスクが約1.36倍。
菓子パン(マフィン、ドーナツ、クロワッサン):
直線的な“摂取が増えるほど悪化”は認められませんでした。
しかし、最下位群(ほとんど食べない)とそれ以外の群をまとめたものとを比べると、うつ発症リスクは約1.38倍でした。
ファストフードや菓子パンの摂取は、うつ病リスクに有害な影響を及ぼす可能性がある、と結論付けられました。
まとめ
この研究では、ファストフードや菓子パンの“多食”が、将来のうつリスク上昇と結びつくことを示唆しました。
ファストフードや菓子パンを完全NGにするは難しく、摂取の頻度と量をコントロールことが重要ですね。
そのうえで、全粒穀物、魚、豆、野菜、果物など“気分の土台”をつくる食品を日常の主役にする。
これがメンタルを守る現実的な一歩かもしれません。
参考文献
Sánchez-Villegas Aら(2012)「Fast-food and commercial baked goods consumption and the risk of depression」(Public Health Nutrition, Volume 15, Issue 3, 424-432)
https://www.cambridge.org/core/journals/public-health-nutrition/article/fastfood-and-commercial-baked-goods-consumption-and-the-risk-of-depression/CF02E46F44CFC28D5F4D151FAD39EC77