2025/10/23 21:00


結論


ナイフとフォークは「外側から内側へ」

コース料理でカトラリー(ナイフ&フォーク)が何組も並んでいるときは、外側に置かれているものから順に使うのが基本。
皿が変わる=コースが進むにつれ、手元側(内側)に近いカトラリーが残るように並べられています。
「今から運ばれてくる料理に対応する道具が、一番外側」に置かれているという設計。
迷ったら、外側を使用すればOKです。


なぜ外側から?


前菜・魚・肉・デザート…と料理の流れに合わせて、遠いところ(外側)から使っていくと、最後に必要なカトラリーが自然と手元に残る仕組みです。
レストラン側は、食べ手が迷わない導線づくりとして配列をデザインしています。


外→内ルールはいつ生まれた?


19世紀、ヨーロッパの宮廷文化でサービス・ア・ラ・リュス(ロシア式配膳)が広まり、料理をコースごとに順番に出すスタイルが定着したと言われています。
それまでは、大皿を一気に並べる“フランス式”も主流で、カトラリーの数も今ほど多くありませんでした。
コース料理が当たり前になると、「料理の順番」=「使うカトラリーの順番」が必要に。
そこで外側から内側へという分かりやすいルールが生まれ、上流階級からホテル・レストランへ、さらに一般へと広がっていきました。


まとめ


テーブルマナーは、「正解探し」でピリつくためのものではなく、誰もが気持ちよく食事を楽しむための設計図。
外側から内側へのルールは、コースという旅を迷わず進むためのやさしい道しるべです。
次にナイフとフォークがずらりと並んでいても、深呼吸して外側にそっと手を伸ばせば大丈夫。