2026/03/12 21:00


はじめに


DASHは Dietary Approaches to Stop Hypertension の略で、もともとは高血圧対策のために作られた食事法です。
名前だけ聞くと、いかにも治療食っぽいですね。

でも中身を見ると、実はかなり王道。
野菜、果物、全粒穀物、豆、ナッツ、魚、低脂肪の乳製品を増やして、塩分、飽和脂肪、甘い飲み物、赤肉を控える。
つまり、「体にいいと言われる方向」を、きちんと形にした食事パターンです。
DASHは特別な食品を必要としない、柔軟でバランスのよい食事法とされています。


何を食べる?


DASHの考え方はシンプルです。
増やすのは、野菜・果物・全粒穀物・豆類・ナッツ・魚・低脂肪乳製品。
減らすのは、塩分・飽和脂肪・甘いもの・加工度の高い食品。
肉・魚は「食べない」ではなく、量を抑えめにする設計です。


ポイントは「塩を減らす」だけではない


DASHが面白いのは、「減らす食事」でありながら、「足す食事」でもあるところです。
もちろん塩分を減らすことは大切ですが、それだけではありません。
野菜や果物、豆類、乳製品などを増やすことで、カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維、たんぱく質が入りやすくなる。

DASHはこうした栄養素を多く含むことが血圧管理に役立つと説明されています。
DASHは「しょっぱいものを我慢する」というより、体が喜ぶ構成に食事を組み替えるものです。


エビデンスは?


DASHの強みは、ちゃんと研究で検証されていることです。
NHLBI(米国心肺血液研究所)のDASH-Sodium試験では、DASH食は高ナトリウムの一般的な食事と比べて、収縮期血圧を平均5.9~8.9mmHg、拡張期血圧を2.9~4.5mmHg下げました。
塩分をさらに下げると効果が大きくなることも示されました。

さらに、2015年のメタ解析では、DASHは収縮期血圧を5.2mmHg、拡張期血圧を2.6mmHg下げ、総コレステロールやLDLコレステロールも有意に下げたと報告されています。
観察研究ベースでは、DASHに近い食事パターンほど心血管疾患、冠動脈疾患、脳卒中、心不全のリスクが低い方向も示されています。


aMED等との違い


aMEDやAHEIとDASHは、かなり似ています。
どれも「野菜・果物・豆・全粒穀物・魚を増やし、加工肉や不健康な脂を減らす」という方向です。

しかし、DASHの特徴はやはり高血圧対策が出発点であること。
特にナトリウム管理と、血圧に関わる栄養素の組み合わせを重視している点です。


まとめ


野菜を増やす、果物を入れる、主食を少し全粒寄りにする、塩分を控える、甘い飲み物を減らす。
「何を食べたらいいか分からない」と迷ったとき、DASHは頼れる基準になります。
奇抜なルールはないのに、血圧にはしっかり効く。しかも、心臓や血管全体にもいい方向が期待できます。
DASHは、流行のダイエット法というより、長く続けやすい食事の型です。