2026/03/26 21:00


はじめに


「植物性」という言葉は強いブランドになりました。
豆乳、オーツミルク、プラントベース、ヴィーガン、ベジ系メニュー。
どれもなんだか体によさそうに見えます。

でも、ここで一つ素朴な疑問が出てきます。
ポテトチップスも、砂糖たっぷりの菓子パンも、植物性といえば植物性では?
その違いをちゃんと見ようとして作られたのが、hPDI(healthful Plant-Based Diet Index:健康的植物性食指数)です。

植物性食品をどれだけ食べているか、ではなく、どんな植物性食品を選んでいるかに注目するのがポイントです。


hPDIって何?


hPDIは、植物性食品を大きく健康的な植物性食品とあまり健康的でない植物性食品に分けて評価します。
全粒穀物、果物、野菜、ナッツ、豆類、植物油、茶・コーヒーなどはプラス評価。
逆に、精製穀物、じゃがいも、果汁、砂糖入り飲料、甘いお菓子・デザートなどはマイナス評価寄りです。

さらに、肉・卵・乳製品・魚介などの動物性食品も逆方向に点数化されます。
hPDIは、植物性なら全部よいというものではありません。
植物性でも、質がよくないと高得点にならないのが肝です。


似た用語:PDI、uPDI


この分野には似た用語がいくつかあります。
PDIは、植物性食品全般を広くプラス評価する指数で、
uPDI は、あまり健康的でない植物性食品に寄った植物性食を高く評価する指数です。

hPDIが言いたいのはとてもシンプル。
植物性というラベルだけでは足りない、中身を見よう。 ということです。


なぜ注目される?


例えば、白いパン、フライドポテト、甘い飲み物を減らして、全粒穀物、豆、ナッツ、野菜を増やす人と、
ただ肉を減らして植物性っぽいものに置き換えただけの人では、同じプラントベースでも中身がかなり違います。

hPDIは、その違いを見える化します。
実際、研究では、質のよい植物性食品が多い食事ほど、2型糖尿病リスクが低い方向が示されました。


エビデンス


2016年の研究では、健康的な植物性食品を多く含む食事パターンは、2型糖尿病の発症リスク低下と関連していました。
さらに2017年の研究では、hPDIが高いほど冠動脈疾患(CHD)リスクが低い方向が報告されています。

こうした研究の多くは観察研究なので、hPDIを上げれば病気を防げる、と言い切ることはできません。
ただ、少なくとも、植物性の質が高い食べ方は、かなり外れにくいという方向は見えてきています。


hPDIの良いところ


hPDIは、ヴィーガン認定試験ではありません。
動物性食品をゼロにしなければ失格、という考え方ではなく、食卓全体の重心をどこに置くかを見る指数です。

毎日ストイックに修行僧のようなメニューにする必要はありません。
主食を少し全粒寄りにする、間食を甘い菓子パンからナッツや果物に寄せる、飲み物を加糖飲料からお茶やコーヒーに変える。
そのような地味な方向修正の積み重ねが、hPDI的には大事です。
元のスコアも、18食品群を摂取量の順位で点数化して合計する仕組みで、全体像で見る設計になっています。


まとめ


hPDIは、ただの流行語ではありません。
その核心は、植物性の量ではなく、質が大事という、ごくまっとうな視点です。

肉を減らしたから健康なのではなく、何を増やし、何を減らしたかまで見る。
hPDIは、その当たり前を、ちゃんと言葉にしてくれる指数。
植物性の時代だからこそ、中身。
そこを見失わないための優秀なモノサシと言えます。